お金を貸す側の考え方(レーティングとスコアリング)

 最近では与信業務をそれぞれクレジットレーティング(いわゆる減点制)とクレジットスコアリング(いわゆる加点制)呼んでいる。

今直ぐ一定の資金が必要で、一般的な金融サービスを使って資金調達することが難しい、または面倒だと考える個人の方は読むのも面談かも知れないので、その時は、先に、サイドバーから誰でも少額資金調達ができる新しい仕組みである【マネーシェアリング】についてを読んでから、以下を読んでも良いです。

クレジットレーティングとは資金を調達したり保証したりする政府、銀行、証券、保険などの企業、または金融商品そのものの信用状況を表す指標として、公開されている財務データを基に、その企業以外の機関が勝手に減点しながら企業の安全性や健全性を評価して等級分けを行う仕組みである。

等級は格付機関によって様々だが、AAA(トリプルA)やAA+(ダブルAプラス)など、記号やアルファベット、またはその組み合わせで、表示されるものが多い。

格付が出る企業の場合は決算報告書など公開される財務データによって外部からでも一定の財務状況が把握できることから勝手格付であっても評価が良い企業の資金調達は有利に進めることができる。

一方で信用スコアリングは資金調達する個人向けに個人が提供する情報を基に加点制で安全性や健全性を評価して等級分けを行う仕組みである。

個人は決算報告書を作成することもなく公開する必要もない上、資金調達する総数の多さによって、個人の財務状況を把握するデータがない金融機関では企業のように与信することができない。

この情報不足を個人から収集する目的で行われている仕組みをスコアリングと言う。

企業であれば財務状況は月次、四半期、年次ごとに決算情報が公開されているので公開されないことも含めて勝手格付できるが、個人の財務状況についてはプライバシーの観点から知り得る情報には限りがあり、個人が任意に提供する情報を基に出されたことで加点する性質上、自主的に提供される情報には信用性が低く、よって収集する質や量によって等級も幅広くなる傾向にある。

今のところ、スコアリングは制度化されておらず、賃貸入居保証のように利用を強制されていないが、今後はビッグデータビジネスが盛んになるので、様々なシーンで強制されることになる。

これから資金調達する場合、個人情報を提供することになるが、間違った情報を登録するよりも、一度、自主的に信用スコアリングをやってみてから、自分の実情に最も近い正確な個人情報を提出する方が良い。

最初から読むのが面倒な場合には、目次から選択して読むこともできます。

● 詳細な個人情報は要らない

 資金調達する場合1415ある金融機関や約3万社あるノンバンクに、ローン・クレジットカード・キャッシングなどの申込むが、その金融機関やノンバンクは信用リスクをヘッジする目的で、個々の企業が過去に取引した信用データを登録して共有する信用情報データベースを利用する。

金融機関やノンバンクへの申込みにあたっては詳細な個人情報を要求されるが、与信調査はそれぞれの企業や事業所で、その都度行うので初めてでない限り、本当は個人を特定できる情報さえあれば、詳細な個人情報は不要であると言える。

 理由として言えるのは、資金調達を事前に計画して順調に進められるのはひと握りの企業だけで、それ以外は、そもそも企業のトップや担当者は基本的に負債はない方が良いと考えているから、必要に迫られてから資金調達に着手することが多く、どうしても融資担当の顔色を伺うことになってしまう。

しかし調達先の担当者に課せられた目標は、新規の貸出を増やすこと、または貸出しを伸ばす仕組みをつくること。一方でデフォルト(貸し倒れ)を減らすこと、またはデフォルトを減らす仕組みをつくることになるので資金調達の申込みは大切な収益を上げる機会を得られる良き見込み客層であると言え

そこを裏付ける例として、資金調達の1番シンプルなケースはクレジットカードの新規申込や銀行口座の新規開設が多いが、その申込を途中で止めるとどうなるか。

概ねその申込先から一定のタイミングで、申込の続行を促す連絡(メール)が送られてくる。

資金調達する側も事業であり、貸し出す側も事業なので、利害が一致するように計画すること。

必要に迫られてだとか、担当者の顔色を伺ってだとか、詳細な個人情報を開示してだとかより、事業を計画的に進めながら未来に必要となる資金を調達する方が良く、その計画を立てる上では、あなたが現在、信用ラインのどちら側にいるのか、どうすれば良いライン側に立てるのかを簡単にチェックしておく方が重要である。

※ なお未就労者、長らく決済した履歴がないなどの場合には、仮に預貯金があっても申し込み先によっては信用ラインに達していない若しくは判断できないので与信を得られない場合があります。

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● 過去に審査を受けた方

 計画的に申し込んだ訳でなくとも信用履歴を記録している信用情報データベースを読み解く限り、過去の取引の延長線上に個々の将来を推定して捉えることができる。

もちろん事前に計画を立てて申し込んでおき、そこ計画に基づいて資金調達し、計画を達成して資金償却を行い、事業を展開する方が与信を担当する者にとっては取引しやすく、協力もしやすいと思った方が良く。

しかし、そうはできない場合も多くあるので、以下の視点をあくまで調達時の参考に留めてください。

・前回審査に通った方の場合は、デフォルトや遅延していない限り基本的に審査は通ることが多いので、受けられるサービス条件の良さを”強気”で各社比較してみてください。

・一方で前回審査に通らなかった方の場合は、基本的に審査は通らないことが多いので、受けられるサービスの条件は余り期待できません。

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● 資金調達の目的

・自家用車の登録台数は6165万8779台(令和4年)で、車検代は5〜13万円がかかりるが、この殆どで一般的に法定費用を除く車検基本料金の支払いはポイントが付くこともあるのでクレジットカード決済が多く利用されている。

クレジットカード決済に法定費用を除く理由としては、利用者が国に納める費用であること。

クレジットカード決済の場合、その事業者に資金化される支払いサイトが概ね2週間先になってしまうので、その事業者が法定費用を一時的に建て替えること。

その分のクレジットカード決済手数料を事業者が負担しなければならないこともあって除くようになっている。

車検代のほかに修理代などの少額決済であればクレジットカードで決済するが、オートバイや自動車の購入のように高額になるとオートローンを個別契約することになる。

・ライフスタイルに合わせた住宅のリフォーム費用は一戸建平均で約275万円(平成25年)であり、この場合クレジットカード決済ではなくリフォームローンを個別契約する。もっと高額な不動産の購入となると不動産ローンや住宅用地だと住宅ローンを個別契約するし

・奨学金を利用して大学進学にかかる費用を払込む学生の平均的借入額は324万円(令和4年)で、海外の大学に留学する費用は、年間300万円〜400万円にかかるが、この場合の教育資金は基本的に専門の金融機関との個別契約になる。

・圧倒的に件数は少なくなるが、調達金額が大口になる事業資金には、様々な調達方法があり、仕入と売上が定期的に続く取引の場合、その必要となる決済資金は、予め取引の需要に合わせて金融機関で融資枠を設定して調達を行う。

多くの場合、預金や取引先の保証または不動産などの担保を設定して行われ、担保があると通常は調達条件で優遇を受けれる場合が多くなり、一方で、アンダーローンで構成される調達手段となる金融機関では担保設定ができない場合や設定された担保評価より融資枠が超える場合には、受けられる調達条件は期待できない。

・飲食店での支払い、オンラインショッピングでの支払いなどの多くはクレジットカード決済が多く、一方で宝石の購入、エステや美容整形などは費用を個別信販契約する場合もある。

・一時的な冠婚葬祭などの急な1万円〜10万円程度の出費、少額な資金返済などで、クレジットカード決済が利用できない場合には、個別に消費者金融から調達することになり

・その他、信用調査は資金調達だけではなく、不動産の賃貸契約においても必要になる。

● スコアリングのチェック項目

\\\ここからは実際に自主的に信用スコアリングする場合のチェック項目です///

● 健康保険について

 全国の事業所の約9割が社会保険などに加入していて、それ以外の個人事業主やその従業員は国民健康保険にそれぞれ加入している。

このことから一定規模の法人に雇用されている場合には、社会保険に加入していると考えられる。

・所得が安定している、または所得が多いという推定基準で見ると、勤務先の事業所が安定していると推測できる社会保険加入者の方がスコアは高くなりがちで

ただし退職したばかりだとか、転職したばかりだとかの場合、個人の判断で保険証は前職のものをそのまま使っているケースもあるので、この部分を審査されると国民健康保険加入者よりも有利に調達できるとは言えない。

● 勤続年数について

 入社すると一般的な会社では概ね6カ月近くの研修期間を経て、採用に応じた、もしくは適正に応じた部署に配属され

・雇用されて半年未満の場合、研修期間中の方に分類され、この期間は概ね所得は低く

・雇用されて半年以上経つと配属された部署での研修が始まり、やはりこの期間は概ね所得は低くなっている。

・雇用されて3年以上が経過すると配属された部署での専門的なスキルが身につくので、所得は徐々に多くなっていく。

・雇用されて10年以上が経過すると、徐々に各部署で責任あるポジションにつくようになり、その分所得は高くなる。

● 所得について

 一般的に所得は年収で表現されているが、所得の源泉が何なのかは安定した所得の評価に繋がってくる。

・例えば全世帯の実に約61%(令和元年)の世帯所得平均が552万円以下であり、世帯所得が400万円以下の場合を低所得者層に分類され、推測される原因は雇用された会社の売上が少ない、雇用されてからの期間が未だ浅い、雇用体系がパートやアルバイトまたは派遣社員などとなりスコアは低くなりがちで

・世帯所得が400万円以上の場合は中間所得者層に分類され、正規雇用であったり、配属された部署で責任あるポジションについていて、家庭を持ち、安定したライフスタイルを送っているとみられるが、所得の源泉がダブルワークで得ている場合には、低所得者層に分類される場合もある。

・所得が850万円以上の場合、日本では高所得者層に分類され、自営業者であったり、大手企業の正規雇用者である場合が多くなり、スコアリングでは加算を得やすいポジションの方になる。

● 住居について

・雇用されても配属先が未定であったり、雇用主の都合で転勤したり、何らかの理由で転職が起こりやすい時期の住居は、一般的に賃貸からスタートする。

ここでは毎月支払っている家賃は負債と見られ、所得に相応した家賃であるかなど非常に大きな評価基準になる。

・親と同居の場合には、家賃負担が軽減されるので、低所得者層の方でも加算される。

・持ち家の場合、ローン残高と月々の償却額が評価の基準になり、ローン残高は少なくても、共有資産などの場合に、資金調達時に不動産を担保しない場合には、持ち家の加算は余り期待できない。

● 家族構成について

 家族構成は所得や支出の安定を裏付ける基準である。

・申込時に未婚である場合には、この年齢で独身の原因は何だろうを埋めるために、年齢による分類と職務的な分類で評価される。

・申込時に既婚である場合には、概ね一定の所得があるから婚姻関係を維持できてると評価され加算される場合がある。

● 扶養家族について

 結婚して子供がいる場合などは、支出負担も増えるので扶養数と所得とのマッチ度が評価される。

・扶養家族が増えるほど支出負担も増えるので、一定の所得がないとミスマッチとされて減算の対象になる。

● 年齢について

 ここで支出の割合をみてみると。

・最も消費が多い年代が20代で、複数の異性との接点が増え、流行に敏感で、ファッションやレジャーに多く支出している。

・婚姻相手が決まると、それまでの支出スタイルが一新され、貯蓄に向かい、堅実になるのが30代。

・所得も増えますが、家庭を持ち少しづつ支出が増え始めていくのが40代になる。

● 負債について

 普通に生活しているだけで気づいてなくても負債はあるもので

・賃貸住居で生活していたり、スマホを契約していたり、保険に加入していたり、一括払いでもショッピングをしていると一般的に100万円未満の負債は多くの方が持っている。

・だいたい100万円以上の過大な消費による負債残高があり、複数の金融機関などから調達していると一般的に多重債務者に分類され

・500万円以上の負債があっても、それが住宅ローンや事業資金の場合、一般的な負債額であると判断される。

● 負債内訳について

 そこで大事になるのは”負債の種類”。

・所得に相応した住宅ローンの残高である場合には、スコアが減算評価されることはない。

・意外と要注意なのが安易に使えるクレジットカードのリボ払いやサブスクリプションサービスの残高。

・リスクの高い消費者金融に負債残高があるとそれが銀行系の消費者金融であっても、減算評価は大きく、獲得したスコアを一気に減算される場合がある。

● デフォルトについて

 過去の生活の乱れや貴方の性格を裏付けるのがデフォルト(債務不履行)の有無になる。

・過去も現在も滞納などが一度もない場合、仮に多重債務者であってもスコアに影響は少ない。

・過去にうっかり債務不履行を起こしたことがあるが債務整理などの事故は起こしていない場合は、減算されることは少ない。

・過去に債務整理がある場合には、資金調達は暗礁に乗り上げていると考え、通常であれば保証人や不動産などの担保によって信用を補完する必要がある。

● 可処分所得について

 ここでは所得から支出を差引、自由に使える金額のことを可処分所得と言う。

・可処分所得がない場合、返済原資がないので資金調達は基本的にできない。
所得が多く安定していても、それを上回る支出が多いと高所得者層の場合、社会負担率も高く設定されているので、スコアはかなり減算されることになる。

・先月はなかったが今月以降は可処分所得があるという場合もあるが、信用スコアリングでは平均値を評価してくるので、イレギュラーは減算される場合がある。

・一方で毎月5万円以上など一定額が安定してある場合にはスコアは加算される。

● 携帯電話について

 一見して資金調達と関係ないようであるのが携帯電話の契約状況である。

・先ず問題ないのが本人名義で、継続使用期間が長ければ長いほどスコアは高くなる。

・会社から貸与されている法人名義の携帯電話を使用している方もいるが、使用者が本人であればスコアは減算されることはない。

・親族名義の方もいるが、概ね本人名義で契約できない、何らかの理由があると推測され、スコアは減算される場合がある。

● 自己採点はどちら側か

 銀行、クレジットカード会社、消費者金融、その他の金融機関含めて、取引先は資金を必要としている方であり、常に新規の取引先を求めている。

・必要としている資金はいくらか
・自分のスコアは何点か

仮にスコアが平均値より低い分だけ申込金額が減額されるか、契約条件が厳しくなる場合がある。

・過去に審査が通らなかった方や債務整理経験者の方は、一定期間以上を経過していない場合には、基本的に安定した取引ができない場合がある。

※ なお自主的な信用スコアリングでクレジットラインの悪い側にいる方は、諦めずに、”サイドバー”から目的にあった別の記事を参考にして資金調達を検索してはどうでしょうか。

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