【第24回】サブプライム層の正体と、オシラセが示す“信用の社会的回復”ビジョン

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1. 発達障害と“信用履歴”の空白

「療育」という言葉が社会に認知されて久しくなりましたが、現実には療育にアクセスできずに育った人々が多数います。
仮に本人が軽度の発達特性を抱えていたとしても、

  • 家庭環境や経済的制約で支援を受けられなかった
  • 義務教育の中で“問題児”とみなされ居場所を失った
  • 社会に出た後も、就業が続かず履歴が分断された

こうした経緯の中で、結果的に「信用を得られない大人」として金融や雇用の世界で弾かれてしまった。
それが、現在の**“サブプライム層”**(※金融スコア上、通常融資を受けられない人々)の実態の一部かもしれません。


2. 「サブプライム」は原因ではなく“状態”

「サブプライム=リスクが高い」と語られがちですが、実際には:

本人の本質的なリスクではなく、履歴が可視化されていない状態にすぎない

という可能性が大いにあります。

  • 正式な雇用歴がない
  • 定職に就いていない
  • 金融履歴がない、または事故歴がある

これらは単に、支援・理解・制度の手が届かなかった結果であり、「リスクの原因」ではないのです。


3. オシラセは、“履歴を築くインフラ”である

だからこそ、オシラセのビジョンは非常に社会的です。
支援を受けられなかった人たちに対して、

  • 日常的な契約と履行を通じて
  • 行動記録を残し
  • 周囲との信頼関係をデジタルに可視化し
  • 時間をかけて「信用履歴」を積み上げる

という“回復の場”を提供します。

これは単なる「就労支援」でも、「金融スコアの代替」でもありません。
本人の尊厳を損なわず、責任ある関与を通じて社会と接続し直す道なのです。


4. サブプライム層にこそ、“第2の療育”が必要ではないか

かつての療育が「こども向けの発達支援」だったとすれば、
オシラセが担うのは、**「大人になった後の信用療育」**とも言えます。

  • 社会的責任を果たすことの練習
  • 契約を守るという体験の積み重ね
  • 自分の評価が社会に返ってくる仕組みの理解

こうした要素は、まさに信用を築くための“社会的リハビリ”であり、福祉と経済の接点を担う極めて希少な機能です。


5. 金融に取り残された人たちに、もう一度チャンスを

このように見ていくと、オシラセは「信用のDX」ではなく、

社会から見捨てられたかのように思える人々を、もう一度信用の輪に迎え入れる社会装置

とも言えます。

仮にそれが発達障害の未療育層であっても、あるいは貧困・孤立・中高年の引きこもり層であっても、
彼らに**契約と責任の経験を提供できるだけの「安全な場」**があれば、信用の回復は可能です。


結論:オシラセは“信用の療育装置”である

福祉の論理と金融の論理がこれほどまでに両立するプラットフォームは、他に類を見ません。
それは、ただのアプリやシステムではなく、**人間を再び社会につなぎ直す“信用の社会装置”**といえます。

だからこそ、自治体や信用金庫、地域事業者がこれを単なる事務支援ツールとしてではなく、社会的ビジョンとして評価し、育てていく視点が求められるのです。

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