⚫︎ デジタル給与でタンス預金がなくなる

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 デジタル給与が始まると電子マネーの淘汰が始まる。

電子マネーは法定通貨本位制であるから日本で流通させるなら紙幣の『円』とリンクするのが必須であり、またプリペイド方式なので、法定通貨の円を生み出す、給与所得者の源泉(給与)を囲い込むことが重要になっていく。

では、なぜデジタル給与にしようとしているのかになるが、暗号資産が世界中を席巻する中で、国家が管理する法定通貨を利用せずに、企業が管理する通貨(暗号化された電子記録)を利用する人々が出てきたことが大きな要因として考えられ、企業が管理するバーチャルな通貨である暗号資産を利用して取引を行う企業が出てくると課税すべき資金のながれが読めなくなってくる。

そこで国家が管理する法定通貨を電子化することで、暗号資産同様の利便性を担保しようということで法定通貨にリンクする電子マネーの普及が加速してきた。

そうなると暗号資産の優位性は薄れ、また暗号資産が課税すべき対象を国家に開示する場合、さらに優位性は薄れ、残った優位性は技術的な暗号化だけになる。

そこで国家は最後の詰めとして暗号資産の暗号化する技術であるブロックチェーン技術を取り入れて法定通貨を暗号化することを研究している。

そうなると企業が管理する暗号資産の優位性は無くなるので、利用者は当然ながら限られることになり、企業が暗号資産を利用する場合、国家は課税逃れを監督しやすくなるので、一定の成果を得られていることになる。

もう一つ、暗号資産の課税を逃れる機能に近い、古くからある機能にタンス預金がある。

世の中の資金の流れは銀行を経由してながれているが、それ以外にもタンス預金(日本銀行の統計では総額約107兆円)という資金があり、これは法定通貨が紙幣だからこそ起こる現象である現金取引(ハンドキャリー)で、問題は当事者が同意する場合、現金取引には銀行のチェック機能は働かないので課税すべき資金のながれを追跡調査できない。

暗号資産の優位性を国家が崩してきたながれとタンス預金の優位性を国家が崩していくながれは基本的に同じことであり、タンス預金の優位性を崩す機能がデジタル給与になる。

日本銀行の統計どおりであればタンス預金の約107兆円が流動化し出すと、経済波及効果は大きく、国家は新たな財源を確保することにもなり、当然ながら国家から与えられた免許で運営される銀行はデジタル給与の普及と囲い込み、さらにはタンス預金の獲得に注力することになる。

では、どうやってタンス預金を銀行が獲得するかとなると、デジタル給与によって大多数である給与所得者5,931万人(令和3年)の給与源泉をデジタル化する約225兆億円分の紙幣流通量を削減できるベースが出来上がる。

紙幣の流通額では約125兆円(令和4年)、枚数では約186億枚なので、ベースができると市場に出回る紙幣の殆どを無くすことが可能になってくる。

お隣の国である韓国では既に94.7%がキャッシュレス決済されており、同じように日本でもデジタル給与によってキャッシュレス化は益々加速し、一定の時期に紙幣の流通を廃止することで紙幣を電子マネーにチャージすることもなくなり、タンス預金も使えなくなるので自然と世の中に出てくるようになる。

電子マネー決済履歴のビッグデータを利活用すると、様々なキャッシュポイントが生まれ、デジタル給与化によって紙幣をチャージすることがなくなると、さらにビッグデータは大きく膨らむ。

銀行や企業にとっては、お金を貰ってこのビッグデータを提供するのか、逆にお金を払って提供してもらうのかは重要になってくるので、チャージに変わる源泉である給与所得を囲い込むことは、従前の預金を囲い込むことと同じになっている。

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