【第30回】加盟店とは“モノを売る店”ではない — 資金者の登場

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1. 「加盟店=ポイントが使える場所」という誤解

一般に「加盟店」と聞くと、共通ポイントが使える、割引が受けられる、といった“サービス提供側”のイメージが強いでしょう。
しかし、オシラセにおける加盟店は、その常識とはまったく異なります。

オシラセ加盟店の本質は、「お金を回す」主体、つまり資金を地域に“供与する”立場にあるという点です。

つまり、オシラセ加盟店は単なる商店やサービス業ではなく、地域の中で“マネーシェアリング”を実践する資金者なのです。


2. 与えることで始まる — 通貨の“発行主体”になるということ

オシラセでは、ポイントやデジタル手当は「使う」よりも「渡す」ことに意味があります。
加盟店は、利用者に対してポイントや金額的価値を先に提供する側に立ちます。

この構図は、実は金融と非常に似ています。
銀行が“信用創造”によってお金を貸し出すのと同じように、加盟店も信用を先に差し出すことで、経済の流れを作るのです。

加盟店とは、地域経済の中で“信用を発行する場所”であり、言い換えればポスト金融機関の萌芽です。


3. POSよりも覚悟。技術ではなく意思

従来の加盟店制度では、POS端末があれば即座に導入できる仕組みでした。
しかしオシラセでは、「信用を渡す覚悟」が前提となります。

これは、利用者の経済的状況や返済能力を問わない仕組みのなかで、
**“失敗するかもしれない相手にも価値を渡す”**という、従来型の金融倫理からはかけ離れた判断です。

だからこそ、導入に技術よりも“思想”が求められるのです。
オシラセ加盟店とは、POS設置よりも先に、「この地域で信用を開く覚悟」を問われる存在です。


4. なぜこのタイミングで“資金者としての加盟店”が必要なのか

これまで、資金提供者=銀行や行政、という構図が当然とされてきました。
しかし、制度の硬直化とリスク忌避により、支援が届かないケースが増えています。

そこで必要なのは、制度に依存せず、地域の中から自発的に信用を供与できる構造です。
オシラセ加盟店は、そのための第一歩となります。

自らの裁量で信用を発行し、地域の生活や挑戦を支える。
この構造が増えれば、地域全体が金融に依存しない経済循環を築けるようになります。

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